キャンディーズのスーちゃん、いや、スーさんが亡くなった。僕は、実はランちゃんファンだったので、ショックではあったが、そんなに大きなショックは受けなかった。
しかも、あの大地震・津波・原発事故ととてつもない悲劇の真っただ中、被災された方たちの手記やら日記、そして、出会いと別れのドキュメント。
僕は、今年、病気療養しながらの仕事の為に、一昨年から溜まっていた映画・DVDの企画書やプロット作りに専念し、いくつかの企画も上がっていて持ち込み作業にも入っていた。
しかし、今回の災害・・・どんなアクション映画でも、どんなに金をかけたCGでもあの津波は表現できない。その中での人々の暮らし、被災してしまった人その人ひとりひとりにフィクションでは描くことのできないドラマが生まれている。嘘偽りのない感動のドラマだ。
中国の人達を守った佐藤さんを中国で映画化したいとか、ジェームス・キャメロンが映画化したいと話しているが、どうするんだろうか?
NHKで料理番組に出演した高校生3人組の今を取り上げていた。あれ以来会っていない3人を追いかけたものだった。一人ずつ追いかけ3人は無事に再会をする。明日に向かっていく姿に感動させてもらった。その高校生と同時に焼ハゼをつくるお母さん。もう、漁師はやめて家も離れたいといっていたのが何日間後に訪ねると家に帰っていた。再び、復活を目指していた。ほんの40分弱のエピソードだが、真実の感動があり、こちらも勇気をもらった。
しばらく、企画などできそうにない。感動ドラマなんて難しそうだ。
ただでさえ不況なのに、映画に出資をする人なんていないのでは?
そんな時にスーさんが亡くなった。
こんな大災害の年に亡くなるなんて・・・・と、思っていた。ツイてないとさえ思った。
しかし、違っていた。女優・歌手以上に素晴らしい人だった。
病気と戦っているヒロイン田中好子。もしかすると最後を察知していたのかもしれない。これまでの人生を振り返りつつ、ベッドで過ごしていた。その時脇のテレビが、未曾有の大震災を伝えている。その映像を見つめるヒロイン。その災害は、これまでの想像を超えたものだった。そして、九死に一生を得た被災者の数々。その様を見入るヒロイン。そして、惜しまれながら息を引き取る。
その若くして亡くなってしまったヒロインの葬儀にファンや多くの関係者が駆けつけて最後のお別れをしていた。
しかし、ヒロイン田中好子は甦った。
笑顔の写真とともにメッセージとして・・・・
「こんにちは。田中好子です。今日は3月29日東日本大震災から2週間たちました・・・・・・必ず天国で被災された方のお役に立ちたいと思います。それが、わたしの務めと思っています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・映画にもっと出たかった。テレビでもっと演じたかった。もっともっと女優を続けたかった。お礼の言葉をいつまでもいつまでも皆さまに伝えたいのですが、息苦しくなってきました・・・・・・・・・・・・・・・・。その日までさようなら。」
こんなラストシーンを演じられる女優は、世界を探しても誰一人いない。
スーさんは僕らの心の中で永遠に生き続けることになった。
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