高架橋が流され線路が宙に浮いてしまった南リアス線。復旧の為には100億円かかると新聞に出ていた。
盛駅から釜石までの約一時間弱の路線。名前の通りリアス式海岸沿いを走るローカル線である。
とはいっても、大体一時間に一本はあるので、一日三本とかとは違う生活路線だった。
トンネルを抜けると小さな集落があり、その先には海岸があったり、またトンネルに入り、そこを抜けると再び海が見える。とはいっても、海岸線を走っているのではなく絶壁というか、きりだった先の下の方に海が見えるという高架を走っていた。
今から、15年くらい前に出張の合間にこの路線に乗ったことがあった。
その日は気仙沼から、当初は大船渡線で盛に出る予定だったが、どうしても、その先々のスケジュールがあわず気仙沼からタクシーで盛に出た。(すぐに気仙沼から移動すれば大船渡線に乗りつぎができたけど、どうしても、フカひれラーメンを食べたかったので時間が合わなくなってしまった)
地図上では、鉄道は、海岸沿いを突っ切って通っているから近そうだ。道路もそんなに距離はないだろうと安易にタクシーに乗り、
「盛まで行きたいんですけど」
と、告げたら、運転手さんは、突然、異常なまでに明るくなった。
これはまずい!この喜び方は尋常じゃない!かなり料金が高いのでは?と、思ったけど、ご機嫌な運転手のマシンガンのトーク(訛りがすごくて一部意味不明)のなすがまま。でも、地図的には料金がいっても4000円くらいだろうと思っていた。
しかし、最短距離を走る鉄道とは違い道路は、リアス式海岸にそって進む。時には下り、時には登り坂で、時間もけっこうかかっている。
ちなみにわかりにくいトークの中で、ひとつだけわかった。親戚が東京大田区の雪谷で気仙沼の魚を扱った飲み屋さんをやっているとのこと。しかも、「新鮮な魚を直送なんでうまいよ!!」と言っていたことはわかった。その話をかなりひっぱったけど、話題もなくなった頃、やっと盛に着いた。
一万円弱だった。
ご機嫌になるわけだ。時間もかかったが、予定の盛発釜石行きの列車の出発時刻にゆとりがあった。
実は、美しいリアス式海岸と三陸鉄道をビデオに録ろうと準備をしていたが、いざという時になんと「クリーニングして下さい!」サインが出てしまった。
出発前の時間でクリーニングテープを買おうと、盛で電気屋を探したが見つからない。駅で聞いたら山田という電気屋があると教えてもらい。教えられた道をいくと国道に出た、ふとみるとそこにはあのYAMADA電気があった。
バッチリ、クリーニングを済ませ準備OK!だったが、雲行きが怪しくなり・・雨・・。それでも、めげずにビデオを構え乗車。
もちろん、海側の座席に座りたい。進行方向の右が海のはずだ!
しかし、出発前、すでに駅に停車中の列車、線路は前にも後ろにも続いている。
意外にもといっては失礼だが、お客さんがけっこう乗っていた。
席はポツリポツリ状態。ここで大問題。空いている席は右側が一つと左が一つ。どちらに座るか・・・。そもそも、停車中の電車、いったいどっちに走るのか。今、運転手さんもいない。急いで決断しないと席がなくなる。なんとなく、勘で右側に座った。
発車時刻前には席は埋まった。もう、動けない。そして、発車!
逆だった
それでも、なんとかビデオを回し撮影開始したら、トンネル。・・・・外に出たと思いきやまたトンネル。とりあえず、車内を録ったりしてるうちに駅に到着。地元の方たちが降りたので海側へ・・。
ようし!と気合を入れたら、雨。雨だけならいいけど湿気が多く窓が曇る。しかも、外側・・・。
今と違いその当時は観光列車ではなく通勤や通学、買い物客を運ぶ大事な生活路線だった。いい景色のところで停車などしてくれない。ビデオ撮影の為に窓全開なんてできる雰囲気でもない・・そもそも、雨降ってるし・・・・・。
その時の微妙な映像は今でも残っている。音楽を入れて『世界の車窓から』風にしてみた。外の景色は斜がかかり北欧風の景色になってしまった。
いつの日か、リベンジを!今度は、出張の合間ではなく、真剣に休みを取って気仙沼から大船渡線に乗り南リアス線・・・北リアス線と三陸鉄道を制覇したいと思っていた。
なんとしても、南リアス線復活してほしい。観光だけではなく、今も大事な生活路線だ。僕が味わったように鉄道でなくタクシーで移動したら大変なことになる。バスも時間がかかるに違いないし、あの当時は走ってなかった。
自然災害で廃線となってしまった高千穂鉄道のようにならなければいいと思う。
その為には100億円・・・・・。寄付だけでまかなえる規模ではない。
何かいい方法がないものか?それでも、全国、いや全世界の鉄道ファンや三陸鉄道ファンが、南リアス線復興基金を作り、全国の鉄道会社などの協力を仰ぎ復興させてもらいたいものです。
何か名案はないものでしょうか?
三陸鉄道
http://www.sanrikutetsudou.com/category/map
お!ファンクラブがある
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