島の一周はほんの9km。外周道路を自転車で回っても20分もあれば回れてしまう。
しかし、そんな小さな島にある海岸、コンドイ浜や星砂の海岸・・・と、
海と空の美しさには何もかも忘れ癒されてしまう。そんな美しい海に囲まれ、集落がある。
そこは、琉球の昔ながらの集落がある。
別に、琉球出身ではないのに、何故か、懐かしい気持ちにさせられて変に落ち着くのである。
その島には、300人ちょっとの人が暮らしている。
僕は、最初にこの島に魅せられてしまったのは20年近く前、
まだ、その当時は300人弱の人たちが暮らしていた。
もちろん最初は、石垣島のホテルに泊まり、朝一で、竹富島に渡り、
一日、竹富島で過ごし夕方に帰る。そういうパターンだった。
それでも、十分堪能できた。
当初は仕事がらみで行っていたが、プライベートでも行くようになり、そんなある日
ひょんなことから、仕事の時はあまり話したことはなかったが、竹富島の人を紹介され
石垣島で飲むことになった。
「島の良さは、泊まらないとわからないよ・・・」
その一言で、延泊して、いつも自転車を借りていた「丸八」(当時は民宿をしていた)に泊まった。
すると丸八のお父さんが、ヤシガニを獲りに行くと言い出した。
おいしいらしいが、毒があるものもいると脅かされた。毒をもつものは茹でると青くなるという。
さらに、ヤシガニのいるところはハブもいるとさらに恐ろしい話も聞いたが、結局、車で出かけて行った。
そこは、ちょっと広いあぜ道の様なところを通り抜けていくところだった。
そして、突き当たりの海岸の手前に着いた。
しかし、なんと車が砂にスタックしてしまい身動きが取れなくなってしまった。
何をやっても動かない。別の車で引っ張るしかない状態になってしまった。
さて、我々はどうすればいいのだ?
もちろん、当時は携帯などない。
「しょうがない!歩いて帰ろう!!」と、お父さんがいう。
こんな林の中を歩いて帰るのか?
ハブがでるのでは?
「大丈夫!ハブがいれば臭いでわかるから・・・。ついてきなさい」と
先頭を歩くお父さん
「先頭の人は襲わない・・」などという。
2番目を歩く僕は、「え~~~~?」と思ったが、女の子も一緒だったので
「大丈夫だよ!平気平気!!」強がってみたが、思いっきりビビっていた。
林の中は真っ暗だった。
懐中電灯は一つだけ
後ろを振り返ると真っ暗闇。
しかし、5分もすると暗闇に目が慣れてきた。
何もなくても明るいじゃないか。
蛍だった。蛍が道の両端に何匹も飛んでいた。
林を抜けるとさらに明るくなった。
月灯りだった。
あぜ道も明るくハブがいても見えそうなほどだった。
時折、急に止まって脅かすお父さん。
「大丈夫!臭いはしないよ!」といいつつ真剣にヤシガニを探している。
時折聞こえるふくろうの声と心地よい風の音しかしない。
気持ちが本当に良かった。
凄い体験だったが、そこから、本格的に竹富島の魅力にハマってしまったのである。
それ以降は、必ず竹富島で、一泊二泊するようになった。
そして、色々な人と知り合いになった。
飲みに行くと、島の人がいろいろと島の話を聞かせてくれた。
自然の素晴らしさや、街並みもさることながら、島の人との触れ合いが本当の魅力なんだと思う。
それから、何年も通っているが、
「実は、こんな小さな島なんだけど、ここで起こる様々な問題が、いずれ本島で起こり、日本の問題になるんだよ」という話をしてくれた人がいる。
僕が、竹富島を知ってからの問題は、少子化問題。「なんとしても、300人を超えたい。独身の男たちが多いが、結婚して欲しい」と悩んでいた。
それから、しばらくして、国で少子化問題が叫ばれるようになった。
その後も医師問題。開発問題と小さな島にも関わらず、数々の問題が起きる。
政権交代にしても、島ではその前に若返りを測っていたり、パワーのあるいわゆる地区長が、退任してからは、毎年地区長が変わるようになった。その後、小泉が辞めその後毎年のように首相が変わる。
確かに、他にも、交通問題など、島で協議している問題は、いずれ国の大問題となるのだ。
ただ、ここ2~3年は、都会で起こっている問題の火の粉が島にかかってしまうことも多かった。
開発問題や土地の問題。
最近は、これまで想像もつかなかった大問題がおこり、根本解決が出来ないまま、賛成派と反対派で島を二分する問題が起こっていた。
そこへ、不況から来る観光客の激減問題。
農産物などの資源が少なく、外部からの観光資源などがメイン収入だが、無理してアピールなどをする必要性があるのか?ないのか?やはり、二分する。
そんな、ぎくしゃくする島の人たちをみて、なんとなく寂しい気持ちになっていた。
さすがに、これは島の問題で、国の問題になることはない。
今までの日本の未来ではない。と思っていた。
そして、震災
さらに、原発
今日本は、電力の根本的解決をみないまま
反原発か原発推進か
国を二分している。
しかも、放射能は毎日漏れ続けている。被爆者も出て、海外観光客は激減。
日本国民特に東日本の人たちは、放射能の元、悶々としたまま生活をしている。
この間の竹富島の人たちのように・・・・。
しかし、これまでも、数々の問題が起こるたびに、竹富島の人たちは解決してきた。
しかも、金で解決するわけではない。
どんなに分裂しても、竹富島を愛する心は一緒なのである。
その証拠に、祭り事の際には、島民上げて協力をして素晴らしいものにするのである。
芸能の原風景より竹富島文化協会編 |
そして、竹富島の素晴らしさは、永遠。
少なくなっても、来てくれた人は、素晴らしさをわかってくれている筈だ。
それは、単なる自然の美しさだけではない。
無理せず、島に誇りを持ち、島を愛している多くの島の人がいる限り、不滅なのである。
その生き方を、日本国民は学んでいくことが必要なのではないかと考えてしまう。
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